2023/04/10 13:37

ここ最近、気になるものが増えてきているのでブログにて書きたいと思います。



こちらにて総合栄養食の簡単な説明と総合栄養食でも幅がありますということを書きました。
あくまで基準内でブランドごとやブランド内での幅があり、近年はニーズに応じた幅も増えています。
しかし、あくまで総合栄養食の基準内です。水とそのフードだけで健康を維持できる前提です。

気になるのは「ドライ」タイプの「一般食」をちらほら見かけるようになっている事。
しかもペットショップで普通に棚に並んでいます。特に一般食である注記もないケースが多いです(パッケージには記載があります)。
基本的に、一般食は総合栄養食の基準を満たしていないため、総合栄養食と併用することが基本です。

キャットフードですとウェットタイプでよく見かけられ、
ドライフードにトッピングすることで嗜好性の上昇や水分量の確保などで使われることが多いです。
ドッグフードでも主にウェットタイプが多いですね。

しかし、ここの所ドライフードで「一般食」をみることが増えました。
ドライフードなので皆さん「総合栄養食」と思われているケースがほとんどではないでしょうか。
基準に満たないということは何かしらの栄養素が足りていないということになります。

手作りされる方はよくわかると思いますが、特に「亜鉛」は欠乏しがちな栄養素です。
また、吸収もしにくいので総合栄養食を食べていても「亜鉛」不足として皮膚トラブルになる犬もいたりします。
あのオリジンであっても、ミネラルで「亜鉛」をすべてに添加しています。
亜鉛不足の場合は皮膚症状にでることが多いので、アレルギーなどが要因と思われてしまう可能性もあります。


その他、先日の大型犬と拡張性心筋症記事内の
「市販のペットフードを与えられたゴールデンレトリーバーのタウリン欠乏症とDCM」の文章を読み進めますと
1頭を除き、必要な代謝エネルギーを摂取できていなかったと記載があり、
DCM発症の1つの要因としてとして、そもそも必要な栄養を摂取できていなかった可能性も排除できないとされています。


もちろん、一般食のドライフードを販売すること自体は違法でも違反でもありません。
しかし、どれだけの消費者がドライフードに「一般食」があると認識しているでしょうか。


パッケージに
AAFCOの推奨する栄養基準を満たす
FEDIAFの推奨する栄養基準を満たす
総合栄養食 

上記いずれかの表記もないペットフードは何かしら不足する栄養があるということです。
「主食」としてのフードを選ぶ際は記載があるかを必ずチェックしていただきたいと思います。


特に成長期の「子犬」に「一般食」をメインとして使用するのはお勧めできません。
成長期に不均衡な栄養バランスの食事で育った犬の健康被害の事例は少し調べれば出てきます。


手作り食や生食、一般食を「主食」として使用する場合は
熟練者の方や栄養学的知見に長けた方の指導の元、ご利用いただきたいなと個人的には思います。


なお、ウルフインサイトとワンクルはFEDIAFの栄養基準に準拠しています。