2023/04/07 15:24

今日は大型犬と拡張性心筋症(DCM)のお話です。

アメリカでは2018年に拡張性心筋症とグレインフリーフードとの因果関係が指摘され、



この研究では穀物不使用で、カンガルー、エンドウ豆 (20%) 、レンズマメ (40%)、および亜麻仁 (7%) を含む試験食が、赤血球の減少と高リン血症を引き起こす可能性があり、タウリンの代謝に変化があったと示しています。

一方で
こちらは穀物不使用フードは糞便中に胆汁酸の排泄が増えるけれど、血漿アミノ酸とタウリンは増加したというものです。

緑レンズ豆を 45% まで配合しても、90 日間にわたって犬の健康やタウリンの状態に悪影響はないという内容ですが、そもそもDCMの好発犬種ではないビーグル犬であることと、n数が少ないためさらに調査が必要という内容です。


様々な情報が飛び交っておりましたが、日本は小型犬が主流なためかあまり話題にならず、
また、昨年末にFDAが因果関係を見出すにはデータが不十分とリリースし一旦幕引きとなりました。


なお、ヨーロッパでもFDAが最初にリリースした際にあげられたブランドもいくつか流通していたのですが
このような問題が起きたという話はヨーロッパでは特になかったそうです。

FDAリリース(英語)

しかし、一方で発症リスクの高い大型犬でラム&ライスのフードでタウリンが欠乏するというものもあったりします。


我が家の2代目のシェパードは5歳で突然死しました。
同じ心疾患でシェパードは肥大性心筋症を発症することがあり、突然死するケースがあると亡くなってから知りました。

朝の散歩の後調子を崩し、かかりつけに連れていき、日中預かり。
夕方迎えにいったところ、日中は問題なかったようですが、迎えに行く前にまた調子を崩したそうで
先生より細かな検査をしたいとのことでお願いし、時間がかかるとのことで病院をまた離れたところ、
検査にあたってケージから出したところ突然倒れ、心停止したと連絡がありそのまま亡くなりました。
私たちが病院につくまでずっと心臓マッサージをしてくれていました。

病理解剖をしないと原因がわからないとのことで、それはしなかったのですが
肥大性心筋症により心室頻拍がおきたのかなと今でも考えたりします。
それがあり、3代目の今の子も心疾患が怖いので、去勢手術の際に心臓を超音波で一度確認してもらいました。


すこし暗い話になってしまいましたが、心疾患は外から見えないので非常に怖い病気です。
大型犬は遺伝的に拡張性心筋症になりやすい犬種もいますし、大型犬が発症しやすい疾患です。
特に、ドーベルマン、グレードデーン、ニューファンドランド、ボクサー、アイリッシュウルフハウンド、ゴールデンレトリーバー、アメリカンコッカ―スパニエル、セントバーナードなどが好発犬種とされています。
また、基本的に発症後の予後はよくなく、治療も困難とされています。


要因としては遺伝的な側面が大きいとされていますが、タウリンが欠乏する事で発症することは知られている話であり、
タウリンやカルニチンが欠乏したことで発症したDCMの場合は、これらを補給することで心機能が改善することも認められています。


基本的にタウリンは食事から摂取し、また、体内で合成(含硫アミノ酸のメチオニン、システインから合成)しているので足りるはずなのですが、
犬種による遺伝的な要因、
食事における含有量が少ない、
作るための原料(メチオニン、システイン)が足らない、
合成してもより多く排出される などといった要因で欠乏することも もちろん考えられます。


大型犬、また発症リスクが高い犬種のオーナー様におかれましては
動物病院での定期的な超音波での検査、
さらに気になる場合は食事中に「タウリン」や「カルニチン」を添加しつつ
できる限り予防につとめていくことが大事だと思います。


内容を引用しながら書こうと思ったのですが、
リンクを貼っております事ご容赦いただけますと幸いです。
まとまらず失礼いたしました。


なお鶏頭はタウリンが多い食材です。