2022/05/19 18:07

総合栄養食だけ与えていればいいのだ!というお話はよく聞きますが、総合栄養食が完璧なのか?というお話です。

まずは「総合栄養食」の定義を確認しましょう。
一般社団法人ペットフード協会のサイトに総合栄養食の定義が書かれていますので引用抜粋いたします。

「総合栄養食」とは、ペットフードのうち、犬又は猫に毎日の主要な食事として給与することを目的とし、当該ペットフードと水だけで指定された成長段階における健康を維持できるような栄養素的にバランスのとれた製品であって「ペットフード公正取引協議会」の定める試験の結果を基に定められています。ペットフードの目的として「総合栄養食」と表示をする場合は、そのペットフードが適用となる犬又は猫の成長段階が併記されています。「総合栄養食」と表示をするためには、各事業者が自らの責任において定められた試験を行わなければなりません。

1つは、製品の分析試験の結果を施行規則の栄養基準と比較し、栄養成分の基準に合致しているかを証明する「分析試験」。もう1つは、実際に給与試験を行って総合栄養食であると証明する「給与試験」。この2つの試験により証明されています。


基本的にはAAFCOの基準に準じています。

さてフードと水だけで健康を維持できるのが総合栄養食なわけですが、
各成毎に下限値、上限値が設定されており、その基準の範囲内におさまれば問題はありません。
例えばカルシウムやリンは最大値と最小値が設定されていますが、タンパク質には最大値がありません。
また、気にする方が多い「ナトリウム」も実はAAFCOの基準では最大値はありません。

最大値がありませんので、タンパク質に関しては含有量がメーカーによって大きく異なっているのは皆さんお分かりかと思いますし、
ウルフインサイトもラインアップによってタンパク質の含有量には幅があります。


このようにフードの種類やブランドやコンセプトによって一言で「総合栄養食」といっても「幅」がかなりあります。
幅があるということは「個体」によって合う合わないが当然あるということです。

そういう意味で言いますと「総合栄養食」だからといって「完璧」とは言えません。
「総合栄養食」は基準の範囲内において過不足のない栄養を提供しているだけであって、
各個体ごとのニーズに対応しているわけではないからです。

皆様におかれましては「総合栄養食」だからといって過信をせずに、
ご自身の愛犬に応じたフードをチョイスいただきたいなと改めて思う次第です。