2023/04/25 11:34

大型犬は元々大きな身体を支えるために筋肉を必要とします。

しかし、シニアになってきますと人と同じく筋肉量は減少します。
そうなりますと大きな身体を支えるのが困難になりがちです。かといって無理に運動をさせるとそれはそれで負担になります。

そこでぜひ知っておいていただきたいのが「HMB」という物質です。
HMBはロイシンというアミノ酸から変換されるもので、
ロイシンは「BCAA (バリン、ロイシン、イソロイシン)」という形でセットになって
よくサプリメントコーナーやプロテインコーナーに並んでいます。

ロイシンは必須アミノ酸ですが、HMBはそのロイシンから変換された物質です。
また、HMBに変換されるのはわずか「5%」程度とされており、ロイシンを多く摂取するよりもHMBを摂取したほうが有効とされています。

ではこのHMBが体内で何をするのかといいますと
筋肉の「合成」を促し、「分解」を抑制する「指令」を出します。

ここがアミノ酸と異なるところで、
アミノ酸は身体の元で、体内で様々なものに再合成されます。
HMBはその筋肉の合成を促し、分解を抑制する指示を出す物質です。

実際に寝たきりの高齢者においても、筋肉の分解が抑制されたデータも出ており、
運動の有無にかかわらずその有用性が示唆されています。


犬においてはドッグレースのグレイハウンドと犬ぞりの犬たちに給与したデータがあり
いずれに関しても筋肉の損傷の指標である、クレアチンキナーゼ(CK)を減少させました。
さらにグレイハウンドに関しては、走行タイムが短縮し獲得賞金額が増えたそうです。

このHMBが配合されたペット用のサプリも少しずつ増えてきています。

私もある商品の企画開発をしまして、3年程前から市場には流通しております。
当該理由で弊社がHMBを配合したサプリメント等を発売することはないですが
是非、大型犬のオーナー様にはこのHMBのことを頭の片隅にでよいので入れておいていただきたいなと思う次第です。

シニア期は関節のケアに意識がいきがちですが、身体を支える筋肉がないと歩くことはできません。
「HMB」大型犬のロコモティブシンドローム対策におススメです。

もちろん、筋肉の元となるタンパク質が必要なのは言うまでもありません。