2022/09/30 13:44

弊社のフード購入時に同梱させていただいております「サクサク通信」ですが、
10月号のメニューで柿ジャムをご紹介しました。
作ってみて味見をしたところ、味は美味しいのですが舌の感覚に渋みが残る…。
調べてみたところ加熱することによって渋み成分のタンニン粒子が細かくなり、
渋みを感じる状態に戻ってしまうそうです。
これを「渋戻り」と言います。
甘柿は熟すことでタンニンがなくなります。
今回調理で使用したのは熟したものと熟しが甘いものが混ざっていたので、
渋戻りをしてしまったようです。
もし、ジャムを作る場合は完全甘柿の富有柿や次郎柿をお勧めいたします。
確実なのは、少量を加熱してみて、渋戻りしていないか確認してからお作りするとよいかと思います。
さて、せっかく作った渋戻りジャムの行方ですが、
動物性たんぱく質と合わせると渋みを感じなくなるそうです。
牛乳に混ぜたり、ヨーグルトに混ぜると良いとのこと。
早速ヨーグルトに混ぜて食べてみました!
渋みは軽減!若干口腔内で化学変化が起きているような感覚は残りましたが…。
なぜなら、ヒトの口腔内にはムチンとよばれるたんぱく質によって、
口腔内の表面にぬるぬるした層を作り保護しています。
しかしタンニンが口腔内に入ると唾液中のムチンを中心としたたんぱく質と複合体を形成し、
ぬるぬるした層を取り除いてしまうため、
口腔内の表面から滑らかさがなくなり、渇いて引き締まったように感じるのです。
これが、渋みを感じるメカニズムなんですね。
今回は、柿を通して食材の科学的性質や体の中の作用を深く実感いたしました。
柿を調理する場合は、熟した甘柿を使用するにこしたことはないですね!

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プロフィール:ニックネーム サクサク
人の管理栄養士資格(国家資格)を有するが、
何故かペット業界で商品企画、開発にたずさわる。
人もペットも、体は食べたものでできている!
食べ物や栄養の知識を定期的にお届けします。
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